障害基礎年金
国民年金について
ⅰ.国民年金の保険事故と保険給付
老齢 → 老齢基礎年金 … 一定の保険料納付要件を満たした被保険者が65歳に達
した時に給付が行われる。
(※保険という性質上,老齢も事故として扱われる。
死亡 → 遺族基礎年金 ・・・ 一定の保険料納付要件を満たしている被保険者が死亡し
た時、子を持つ妻または子に給付が行われる。
(※夫には出ない。18歳未満の子が対象。)
障害 → 障害基礎年金 … 一定の保険料納付要件を満たしている被保険者が一定の
障害状態になった時に給付が行われる。
(1級:990,100円/年,2級:792,100円/年。)
ii .国民年金の被保険者
強制的に被保険者となる者
・第1号被保険者 ・・・ 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者
・第2号被保険者 ・・・ 被用者年金各法(厚生年金保険、公務員の共済組合等の被保険者
・第3号被保険者 ‥・ 第2号被保険者の被扶養配偶者のうち、20歳以上60歳未満の者
※夫婦の年齢差5歳以上の方は注意!
夫が年金受給開始の時に,妻が60歳未満の時,それまで扶養されていた妻も年金保険料を
納付する義務が生じます。(第1号被保険者となる。)
障害基礎年金
i.障害基礎年金に係る用語
・初 診 日 … 障害の原因となった疾病・負傷について初めて医師の診療を受けた日
・障害認定日 … 初診日から起算して1年6か月が経過した日、または1年6か月以
内に傷病が治った場合には、治った日(症状が固定化し治療の効果
が期待できない状態に至った日を含む)
ii .障害基礎年金の仕組み
○障害基礎年金
初診日において被保険者であり一定の保険料納付要件を満たしている者が、障害認定
日において障害等級の1級または2級に該当する場合に、給付が行われる。
○20歳前障害による障害基礎年金
初診日が20歳前にある傷病については、20歳前の者は国民年金の被保険者とはなれない
(第2号被保険者を除く)ため、保険料納付要件を問わず、20歳に達したとき(障害認
定日が20歳後にある場合はその認定日)に障害基礎年金の給付が行われる。
本来、「保険主義」の考え方であれば、保険料を納付していない場合は、給付の対象と
ならないが、社会保障の立場から給付の対象とされた。旧国民年金法では、「障害福祉年
金」と呼ばれていた。
保険料を拠出しない年金のため、所得制限などの通常の障害基礎年金には無い制限が
ある。
ⅲ . 20歳前障害による障害基礎年金特有の支給制限
・日本国内に住所を有しないとき
・受給権者(事人のみ)の前年の所得がー定額を超えるとき
4,621,000円を超える場合、全額支給停止
3,604,000円を超える場合、1/2支給停止
※ 毎年7月31日までに所得証明付きの現況届を提出する。
ⅳ..障害基礎年金の裁定請求手続
○20歳前障害による障害基礎年金の裁定請求書は市町村の国民年金窓口に提出する。
○提出するもの(※事前に市町村窓口で確認してください。)
・国民年金障害基礎年金裁定請求書
・診断書(障害の種類ごとに専用の様式)
・病歴状況申立書
※複数の障害を持つ場合は。診断書、病歴状況申立書はそれぞれの障害について
提出する
・病院を転院している場合は、受診状況等証明書
・療育手帳等の写し(交付年月日、障害の程度、障害名が記載されているページ)
・年金手帳
・その他(戸籍謄事、住民票世帯全員分、預金通帳のコピ.、印鑑)
5 その他
i.障害基礎年金と老齢厚生年金は併給できる。
障害基礎年金を受給しながら働き、厚生年金保険に加入した場合には、将来、老齢厚生
年金を併せて受給できる。
ii . 不服申立て
不支給決定、または裁定された障害等級に不服があるときは、処分があつたことを知った
日の翌日から起算して60日以内に社会保険審査官に審査請求をすることができる。
また、社会保険審査官の審査請求の決定に不服があるときは、決定通知を受けた日の翌日
から起算して60日以内に社会保険審査会に再審査請求をすることができる。